かぜ症候群とは
「風邪(かぜ)」と一般的に言われますが、正確には、「かぜ症候群」といいます。
鼻からのどまでの気道を上気道といいますが、「かぜ症候群」は、病原体が上気道内に入って気道粘膜に付着し、侵入と増殖することから始まり、急性の炎症による症状(鼻水、鼻づまり、咽頭痛、発熱、頭痛、倦怠感など)を呈する疾患をいいます。時として、この炎症が気管や気管支、肺などの下気道にまで拡がり咳や痰が出現します。
症状・検査・治療について
かぜ症候群はあらゆる年齢層に発症し、大半の方が罹患する可能性のあるごく普通の疾患です。
原因の80~90%がウイルスという、非常に小さな病原体による感染ですが、風邪症候群を引き起こすウイルスは200種類ほどあるとされています。主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルスが多く、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続きます。ウイルス以外では、一般細菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなど特殊な細菌も原因となります。
中でも、インフルエンザウィルスや溶連菌などの病原体は、5~10分ほどの簡便な迅速検査で特定できます。これらの病気は、特別な対応が必要となりますので、疑わしい場合は検査をお勧めしております。
「かぜ症候群」の初期には咽頭痛や発熱を生じ、時間とともに鼻水が増えたり、咳が長引いたりと、引き始めから症状がなくなるまでの間に症状がどんどん変化します。その時々の症状に対応して、社会生活をおくる上で困られないよう西洋薬、漢方薬の両方を駆使してサポートします。
また、細菌感染による扁桃炎や急性中耳炎、長引く副鼻腔炎を合併する場合などは、抗菌薬投与を考慮します。
耳鼻咽喉科外来において「かぜ症候群」あるいはここから派生した病気の患者様が一番多く来院されます。これまでに多くの「かぜ症候群」診療を経験しておりますので、何なりとご相談ください。